初心者向け画像で解説 クロスバイク購入後にやるべきメンテナンス
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新車でクロスバイクを買ってから必要なメンテナンス一覧
買ってからすぐやるべきメンテナンス
買ってすぐにメンテナンス!?と思うかもしれませんが、買って初日に調子が悪くなることもあります。
まずは乗車前の安全チェックの方法を身につけましょう。
タイヤの空気圧の異常をチェック
パンクのリスクはいつもあります。
急に走れなくなる時もありますが、小さな金属片が刺さり、1週間かけてじわじわとパンクする場合もあります。
指で強くタイヤを押してみて、しっかり反発力があるかを確認しましょう。
前回しっかり弾力があったのに、いきなり柔らかくなった場合は小さな物が刺さっているスローパンクの可能性があります。
チューブに穴が開いてパンクするだけでなく、ゴムの隙間から自然に空気は抜けていきます。
そのため、基本のメンテナンスとして2週間~1か月に1回は空気を補充する必要があります。
クロスバイクを買ったらポンプを必ずお勧めされるのは、定期的な補充が必要だからです。
クロスバイクのタイヤは太さとライダー重量で最適な空気圧が決まっています。
Barという単位は聞きなれない単位ですが、空気圧を示すものです。
クロスバイク用の空気入れであればBar単位付きのメーターが付いています。
タイヤ幅
|
ライダー重量 | ||
60kg | 85kg | 110 kg | |
25 mm | 6.0 Bar | 7.0 Bar | 8.0 Bar |
28 mm | 5.5 Bar | 6.5 Bar | 7.5 Bar |
32 mm | 4.5 Bar | 5.5 Bar | 6.5 Bar |
37 mm | 4.0 Bar | 5.0 Bar | 6.0 Bar |
40 mm | 3.5 Bar | 4.5 Bar | 6.0 Bar |
47 mm | 3.0 Bar | 4.0 Bar | 5.0 Bar |
50 mm | 2.5 Bar | 4.0 Bar | 5.0 Bar |
55 mm | 2.0 Bar | 3.0 Bar | 4.0 Bar |
60 mm | 2.0 Bar | 3.0 Bar | 4.0 Ba |
こちらのフロアポンプのメーターの場合は内側の1~11となっているのがBARの値になります。
タイヤ幅32mmのクロスバイクに体重60kgの人が乗った場合は最適空気圧が4.5BARなので、使っているうちに抜けることを考慮して5.0ぐらいまで入れておくのが良いです。
マメに1週間に1回ペースで空気を入れる人は最適空気圧近辺でも大丈夫です。その方が乗り心地が良くなります。
タイヤに空気を入れるメンテナンス方法とおすすめのポンプはこちらで詳しく紹介しています。
ホイールの固定
ホイールはクイックリリースと呼ばれるレバーでフレームに固定されています。
すぐに外せるという意味のクイックリリースレバーからも分かるように、簡単にホイールが外せるように設計されています。
勝手に緩むことはまずありませんが、何かに引っかかった拍子でホイールが緩む可能性があります。
メンテナンスではホイールの中心にあるレバーを手で引っ張ってみて、簡単に引きあがらないかを確認します。
レバーが引きあがっていたり、緩んでいた場合は以下の動画を参考に締めなおしてください。
ホイールの振れをチェック
段差の衝撃や駐輪場で他の自転車のクロスバイクに当たったりして、ホイールのバランスが崩れてしまうことがあります。
ホイールバランスは崩れ始めで調整しておけばショップのメンテナンスで振れ取りをすれば2000円程度で修理してくれます。
自分でできる振れのチェック方法
車体を持ち上げて、タイヤを回転させます。
ブレーキシューのホイール(リム)の隙間を目で見て、3mm以上左右に動いている場合は調整が必要です。
前輪、もしくは後輪を持ち上げた状態で、手でホイールを回します。
1cmぐらい大きく動いている場合はホイールを支える棒のスポークが折れている可能性があります。
スポークの異常は1本づつ手で触ってみてしっかり固定されているかを確認します。
ホイールバランスのメンテナンスは初心者には難しいので、販売店に頼むほうがおすすめです。
自分で振れ取りをする場合はこのような作業になります。
必要な工具は振れ取り台とニップル回し、さらにセンターゲージがあればベターです。
ミノウラの個人用の簡易振れ取り台はセンターゲージがセットになって物もあります。
価格は15000円程度。
あまり頻繁にやるメンテナンスではないので、個人で持つには高いですね。
出先でホイールが振れた場合
結構あるのが、走行中に振れが強くなってブレーキが当たってしまい走れなくなるトラブルです。
ブレーキを開放して走ることもできますが、危ないので、できるだけスポークを調整して復帰できるようにしましょう。
スポークが1本折れたとしても、調整すれば何とか走って帰ることは可能です。
そのために、簡単な振れ取りは自分でできるようになっておきましょう。
走っている時にスポークが疲労で折れたり、枝を巻き込んでスポークが曲がったり、落車してホイール全体がゆがんだりと、ホイールのトラブルは結構あります。
まずニップル回しが無いと調整できないので、ニップル回しは携帯しておきましょう。1個300円で買えます。
ニップル回しをAMAZONで見る。
ニップル回しを楽天で見る。
振れ取りの基本はサイクルベースあさひのHPが分かりやすいです。
ブレーキのバランスをチェック
ブレーキシューが左右均等に当たっていないと、ブレーキシューは片側だけ減ります。
場合によっては軽くブレーキを引きずった状態になって、スピードも出なくなります。
走っている時にシューっと音がする場合はブレーキシューとリムが接触している場合があります。
まず走行していてペダルを回していない時に異音がする場合はブレーキ周りが一番怪しいです。
一度クロスバイクから降りて、タイヤだけを空転させて音がするかチェックしましょう。
Vブレーキとキャリパーブレーキ、ディスクブレーキでは調整方法が異なりますので、自分のクロスバイクに合った調整方法を身につけましょう。
Vブレーキの調整方法
Vブレーキの構造は以下のようになっています。
フォークやフレームから出ているVブレーキピボットにブレーキを取り付けます。
ここのピボットが壊れることはまずありませんが、緩んでいた場合はVブレーキ本体を取り外した後でモンキーレンチで増し締めします。
この部分は逆ねじ(緩める方向に回すと締まっていく)ので注意が必要です。
一番多いメンテナンストラブルはブレーキシューの片側だけリムに擦ってしまう片効きです。
このようにブレーキが当たるリムサイドとブレーキが正しい位置にあるか確認します。
どちらかのリムに当たっている場合はアジャスターで調整します。
ブレーキの片効きはブレーキを正面から見てホイールの側面とブレーキシューの隙間が均等か目視します。
ブレーキシューバランスのメンテナンスはブレーキ本体の固定部分にあるボルトを回せば調整できます。
シューの下にある小さなねじが調整箇所です。
写真はプラスドライバーになっていますが、Avidブランドの場合は2mmのヘキサレンチねじになっています。
2万円クラスのクロスバイクの場合、このネジがまわりにくくて、結構つぶれやすいので注意。
ねじを締めこんだら締めた側のアームのブレーキシューがリムから離れていきます。
ブレーキシューがリムに接触している方を締めます。
同時に反対側も少しだけ緩めてあげると丁度よい位置に来ます。
キャリパーブレーキの調整メンテナンス
細身のタイヤを装備したフラットバーロードにはキャリパーブレーキがスペックされていることが多いです。
まずは本体がフレームにしっかり固定されているか確認します。
Vブレーキと異なり、キャリパーブレーキはブレーキの裏側に1本の5mmヘキサレンチがありますので、締まっているかチェックします。
ブレーキシューの位置を確認します。
タイヤの内側にあるリム側面とブレーキシューが平行に取り付けられているかを確認。
さらにブレーキを上から見て、トーイン(進行方向のブレーキの先端が先にリムに接触する)になっているかもチェックします。
ブレーキのトラブルでキーキー音がする場合はこのトーインをつけると解消できる場合が多いです。
ブレーキシューの調整メンテナンスはヘキサレンチで行います。
ブレーキシューを持ちながらボルトを緩めてください。
180度程度緩めると、ブレーキシューが自由に動くようになり角度や向きを動かせます。
シマノやテクトロで無い安いブレーキシューの場合は角度調整ができないキャリパーブレーキもあります。
その場合は工具でアームをつかんで、アームそのものの角度を調整します。
ブレーキシューを外せばモンキーレンチでも可能ですが、微調整が難しいので専門店でやってもらった方が無難です。
キャリパーブレーキの左右どちらかが当たっているときは片効き調整を行います。
おおまかにはキャリパーを取り付けるときに、左右のシューがバランスよい位置に来るように固定します。
その後ブレーキ上面にあるアジャスターボルトで微調整を行います。
写真左のようなシングルピボットブレーキの場合は微調整ボルトがないので、13mmのハブコーンレンチを使ってグイっと位置を調整します。
カンチブレーキのメンテナンス方法
クロスバイクではかなりレアで、一部のツーリングバイクにしか使われなくなったカンチブレーキも紹介しておきます。
カンチブレーキもVブレーキと同じピボットボルトに固定します。
カンチブレーキの位置をそのまま使えるようにVブレーキが開発されたので、V⇔カンチのカスタムも可能です。
基本のワイヤー調整はカンチブレーキアームの右側にあるボルトを緩めて、ケーブルを引っ張ります。
左右のあたり調整はVブレーキと同じようにピボットボルト下にある2mmのヘキサレンチのアジャスターボルトを使用。
ボルトを締めると、締めた側のブレーキシューが離れていきます。
ディスクブレーキメンテナンス
クロスバイクのディスクブレーキの中でメカニカルディスクブレーキを紹介。
Vブレーキと同じくワイヤーを引っ張って制動力を発生させるタイプのブレーキです。
メカニカル式とは別にハイドロリックディスクブレーキという油圧で制動力を伝えるブレーキもあります。
ブレーキのケーブルメンテナンスはワイヤーの引っ張り具合を調整するだけのシンプルなものです。
ブレーキパッドは残り0.5mmになったら交換です。
ディスクブレーキ場合、パッドの残り量確認は一度パッドを外さないと正確な確認が難しいです。
ブレーキパッドの外し方(シマノメカニカルディスクブレーキ)
シマノのメカニカルディスクブレーキは割ピンになっているので、ペンチで引っ張ってピンを抜きます。
ピンを抜いたらパッドをペンチで挟んで引き抜きます。
ブレーキパッドの外し方(テクトロメカニカルディスクブレーキ)
テクトロはヘキサレンチでピンが固定されているので、反対側にあるCリングをペンチで引き抜いてからヘキサレンチで回します。
回したらシマノ同様パッドをペンチで引き抜きます。
引き抜くときに板スプリングが入っているので、無くさないように注意しましょう。
パッドを引き抜いたら残量をチェックします。
0.5mmを確認するのは目視だと難しいのですが、爪で軽くひっかけてしっかりと段差があればOKです。
ノギスを持っている人はそちらで計測しましょう。
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インナーケーブルのメンテンナンス
クロスバイクで使われるケーブルはブレーキケーブルとシフトケーブルの2種類です。
2つは一見同じに見えますが、太さが異なります。
メンテンナンス方法はどちらも同じで、アウターケーブルとインナーケーブルの間に注油すればOKです。
ペダルの固定をチェック
クロスバイクに元々ついてくるペダルはベアリングの回転が良くないので、ガタつきが出てきたり、クランクからペダルが外れることがあります。
ペダルを手で持って、前後左右に動かしてカタカタした感覚が無いか確認します。
ペダルが外れそうな状態であればペダルレンチで回すだけなので、メンテナンスは簡単です。
ペダル本体が緩んでいる場合は調整が難しいのでお店に相談しましょう。
ペダルのグリスアップメンテナンスと玉当たり調整の方法。
http://blog.goo.ne.jp/kino55crazy55/e/441864c51b4cfe1b2581934971ed3e91
ペダルのグリスアップは難易度が高いですが、増し締めであれば初心者でも工具があれば可能です。
*ペダルのメンテナンスはヘキサレンチではなく、ボックスレンチが必要になります。
3か月に1回(初回のみ1ヶ月に1回)のメンテナンス
ブレーキ、変速の微調整
1ヶ月ほど乗ると、ブレーキが効きにくくなったり、変速がうまくいかなくなってきます。
これは各種操作のための金属のケーブルが伸びてくるためです。
自転車のメンテナンスに慣れている人は自分で調整できますが、不安な人はお店にもっていくのがおすめ。
店によっては初期の点検調整は無料でやってくれます。
有料の場合でも2000円くらいです。
ブレーキ、変速の初期伸びメンテナンス
ブレーキケーブは細い金属ケーブルを編み込んだ構造なので、ブレーキを引っ張るごとに編み込みが締まっていって、ケーブルが伸びてきます。
シフトケーブルもブレーキほどではありませんが、自然に伸びてきます。
この初期伸びは初心者でも作業できるメンテナンスです。
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初期伸びの症状
ディレーラー変速
変速の初期伸びの症状はリアとフロントで異なります。
リアは重いギアから軽いギアへの変速がしづらくなります。(親指のシフターで押した時)
カチャカチャ、、、、カチャンという感じでシフトアップされるイメージです。
症状が進むと、シフトアップをしても変速せずにずっとカチャカチャ言い続けます。
逆に軽いギアから重いギアは問題無く変速してくれます。
フロントディレーラー側は逆の症状が出ます。
軽いギアから重いギアへの変速が鈍くなります。(親指のシフターで押した時)
フロントの方が変速がシビアなので、より影響が出やすいです。
ブレーキ
ブレーキはレバーを引きはじめてから、制動力が出始めるまでの距離が長くなります。
症状が進むと、レバーがグリップに付くまで握り込んでもしっかり止まれなくなります。
初期伸びの取り方
ブレーキレバーもシフトレバーも簡単に調整できるアジャスターがシフターに付いています。
下の写真の左側にある出っ張りがアジャスターです。
黒色がシフター用、シルバーがブレーキ用です。
カラーはモデルによって異なります。
このねじを緩める方向に回すと、ワイヤーの伸びが取れて本来の位置に戻っていきます。
正常に組み立てられたクロスバイクであれば、アジャスターを締める方向に回すことはありません。
シフターの場合は1/2回転させて変速の様子を見てください。
リアは変速レバーを押して、0.3秒ぐらいで変わればOKです。
フロントは0.5秒ぐらいで変わればOK。
変速に時間がかかる場合はさらに1/2回転緩めます。
ブレーキは1回転ずつで調整します。
1回転させて、レバーンの全ストロークの1/3ぐらいのところで制動が始まればOKです。
ブレーキ調整について詳しくはこちらのブログが参考になります。
http://jitetsuu.com/blog-entry-94/
ディレーラーのメンテナンスはこちらの記事がおすすめ。
http://irodoriworld.com/archives/7549
ボルトの増し締め
ショップできっちり組み立てられた自転車でも、ボルトとねじ穴の相性によってはすぐに緩んでくることがあります。
特にクランクのフィキシングボルト、スプロケットのロックリング、ハブシャフトは要注意です。
軽く工具を締める方向にかけてみて、ゆるみが無いか確認します。
クランクのフィキシングボルトはすぐにアクセスできる所にあります。
以下のクランク脱着の動画に締め方も紹介されています。
スプロケットのロックリングもホイールを外せば簡単にチェックできます。
カセットスプロケットの固定は以下の専用工具が必要になります。
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その他の緩みチェックポイント
ハンドルの固定
アヘッドセットの調整
サドルの固定
ブレーキシューの固定
チェーンの異常
雨の日のサイクリング後に毎回するメンテナンス
チェーンとワイヤーに注油します。
金属がむき出しになっているクロスバイクは雨が大敵です。
濡れたまま放っておくことを三回繰り返すと錆が発生します。
チェーンとワイヤーの注油は簡単なので、自宅でもできます。
用意する物
- ウエス
- クリーナー
- オイル
ディグリザーやディスクブレーキクリーナーと呼ばれる油分を含んだチェーンの汚れを分解するクリーナーをチェーンに吹き付けます。
汚れと一緒に水分をウエスでふき取ります。
チェーンオイルをチェーンの上に少しづつ垂らしながらペダルを逆回転させてオイルをチェーン全体に塗布します。
チェーンの注油については以下の動画が参考になります。
ブレーキシューのメンテナンス
ブレーキシューには溝が切ってあるので、ホイールを外して清掃する時に溝があるかどうかを確認します。
シマノの場合は3本ある溝のうち、1本でも消えていたら交換です。
走行中のブレーキで異音がする場合はブレーキシューに小石を挟み込んでいる可能性が高いので、千枚通しなどでほじくり出すか、交換しましょう。
ブレーキの異物はホイールにダメージを与えますので、早めの対策が必要です。
ディスクブレーキの場合はブレーキパッドの交換になります。
ブレーキパッドの摩耗具合を見るのはかなり難しいので、一回取り外してみないと正確なメンテナンスタイミングはわかりません。
ディスクブレーキキャリパーのピンを引き抜いて、パッドを取り出してから残りのパッドの厚みが0.5mm以下になっていたら交換が必要です。
1年に1回のメンテナンス
ブレーキパッド、タイヤ、グリップの消耗品を交換します。
毎日30分通勤で使うなら1年で必ず交換しましょう。
特に雨の日も通勤するなら3か月に1回は摩耗具合をチェックしましょう。
週末だけの使用なら、2年に1回の交換でも問題ありません。
ブレーキシュー、タイヤ、グリップを一式交換して、10000円くらいです。
一緒に全体のネジの緩みもチェックしてもらいましょう。
2年に1回のメンテナンス
チェーン、ワイヤーの交換を行います。
自転車のチェーンはしっかり注油していても、泥や砂をかみこんで磨耗します。
ワイヤー類も硬化してレスポンスが下がってくるので、2年で交換が目安です。
さらにハブや、BB、ヘッド回りのグリスアップを行います。
ここのグリスアップは専用工具が必要になるので、専門店に頼んだ方が結果的に安上がりです。
クロスバイクはメンテナンスをしっかり行えば長く乗ることができます。
定期的に店に行くことで、いろんなサイクリング情報を教えてもらうことも隠れたメリットです。