自転車通勤に電動アシストクロスバイクはどうなのか?
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ママチャリで大人気の電動アシスト自転車のクロスバイク仕様が販売されるようになってきました。
例えばヤマハのパスブレースXLは旅にも使えるモデルとして開発されています。
特長
軽量アルミフレーム
大容量バッテリー
サスペンションフォーク
ディスクブレーキ
8段変速
一番気になるのが途中での電池切れですが、 大容量バッテリーで58キロのアシストが可能。
フレームも力を入れやすいクロスバイク設計なので、電動アシストのサポートと合わせて、かなり出足はスムーズです。
特に信号待ちからのスタートや急な坂を走ると感動します。
デメリットは?
とにかく重い
重量がめちゃくちゃ重い23キロで、電車や車に乗せての運搬はかなり難しいので、家から自走で行ける範囲が目的地になってしまいます。
最高速が出ない
国内規制でアシストは時速24キロ以上は動かないようになっています。
普通のクロスバイクよりも部品が多く走行抵抗も大きいので、平地ではなかなかスピードが乗りません。
使う人の目的によりますが、自宅の近くを二時間程度サイクリングしたい人や、自転車通勤に使いたい人にはかなりおすすめです。
走行距離
電動アシストクロスバイクの走行距離を決めるのはバッテリーの性能です。
なぜかメーカーのスペック表にはAhとvのスペック表示しかありませんが、大事なのはwhです。
容量Wh = 電圧(V) × 電流・時(Ah)
電動アシストクロスバイクは比較的大容量のバッテリーが搭載されていて、シマノSTEPSで36V/11.6Ah=417wh
例えばママチャリのパナソニックのビビ・TXはワット時定格量 159Whで半分以下です。
ロングライドを想定した大容量がママチャリとの違いです。
なぜヨーロッパやアメリカで人気?
日本の電動アシストクロスバイクはヨーロッパでの人気を受けて次々に販売が開始されました。
ただ、日本とヨーロッパ、アメリカでの法律が全く異なるので注意が必要です。
まず日本の出力
以下はヤマハの出力イメージです。
時速10kmまでは1入力すると、2をアシストしてくれます。
時速10km以降はアシスト力が減っていき、24kmでゼロになります。
ヨーロッパの出力
時速25kmまで250Wでアシストを続けてくれます。
日本のようにスピードが上がってもアシスト力が下がることはありません。
さらに、スピードペダリックと呼ばれるもう一段上の時速45kmまでアシストが切れないカテゴリーもあります。
アメリカの出力
ヨーロッパよりも強力で、時速32kmまで100%でアシストしてくれます。
しかもモーター出力は500Wと超強力。
ほぼ原付き並みに走れます。
アメリカにしても、ヨーロッパにしても、車道を走る前提で設計されているので、日本の原付きと同等レベルで走ってくれます。
免許不要で気軽に乗れるので、どんどん広まっています。
日本の電動アシスト自転車の法律
道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)
(人の力を補うため原動機を用いる自転車の基準)
第一条の三 法第二条第一項第十一号の二の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとお
りとする。
一 人の力を補うために用いる原動機が次のいずれにも該当するものであること。
イ 電動機であること。
ロ 二十四キロメートル毎時未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において、人の力に対する原動機を用いて人の力を補う力の比率が、(1)又は(2)に掲げる速度の区分に応じそれぞれ(1)又は(2)に定める数値以下であること。
(1) 十キロメートル毎時未満の速度 二
(2) 十キロメートル毎時以上二十四キロメートル毎時未満の速度 走行速度をキ
ロメートル毎時で表した数値から十を減じて得た数値を七で除したものを二か
ら減じた数値
ハ 二十四キロメートル毎時以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと。
ニ イからハまでのいずれにも該当する原動機についてイからハまでのいずれかに該当しないものに改造することが容易でない構造であること。
二 原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働き、かつ、当該機能が働くことにより安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと。
要するに、ヤマハのイラストのイメージのとうり、時速10km以上スピードを出すと出力がドンと落ちます。
実際に日本のE-クロスバイクはどうなのか?
シマノのステップス搭載モデル、ヤマハ、パナソニック、ボッシュ、BESVなど各社乗りましたが、日本の法律に従って作っているので、どれも乗った感じは大差ありません。
漕ぎだしはめちゃくちゃ楽なのですが、一瞬だけです。
クロスバイクの巡航速度である時速20kmまで来ると、ほぼアシスト力を感じません。
日本は自転車が歩道を走る前提で作られているので、電動アシスト自転車の出力も大きく制限されています。
逆に歩道をゆっくり走るという人にはおすすめですが、そのためにママチャリの何倍もするE-クロスバイクを買う人もいないでしょう。
アシストがほぼなくなる時速20km以上なら5万円のクロスバイクを買えば、初心者でもすぐに出てしまいます。
時速25kmで巡航するのは体力が必要ですが、このスピードレンジは全くアシストしてくれないので電動の意味がありません。
確かに出足のサポートは強力ですが、自転車の95%は巡航なので、わずか5%の出足のために重量増による抵抗アップを考えると割が合いません。
買って良いのはこんな人
>歩道をママチャリスピード+αでのんびり走りたい。
>自転車通勤で家の周りは斜度5%以上の坂が多い。
時速15km前後が中心になる人は電動アシストクロスバイクを買う意味があります。
本当にゆっくりと走る人か、坂が多いエリアに住んでいる人にはお勧めです。
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電動アシストクロスバイク一覧
YPJ-C
185000円
航続距離エコモード48KM
重量16kg
電池 25.2V /2.4Ah=
https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/ypj-c/spec.html
ミヤタクルーズ
269000円
航続距離エコモード 115km
モーターユニット シマノSTEPS E8080
バッテリー 36V/11.6Ah
トレック バーブプラス(TREK VERVE+)
トレック最初の電動アシストクロスバイクバーブ+は21万3000円と海外ブランドの電動アシストクロスバイクとしてはかなりお安い価格設定。
ボッシュのユニットは250W、最大50Nmのアシスト力で、シマノのSTEPS-E8080は250Wで最大70Nmです。
数値以上に比較してみるとシマノのSTEPSはアシスト力を強く感じます。
対してボッシュのアクティブラインプラスシステムは日本のママチャリと同じぐらいの感覚なので、スポーティーさがあまり感じられず、時速20kmぐらいまで届くのにストレスを感じます。
ヤマハ PAS BRACE(パスブレース)
159000円で購入できるヤマハのエントリークロスバイク。
見た目があまりスポーティではありませんが、クロスバイクとしてはお手頃価格。
内装変速なので、重量は重めの23kg。価格帯が近いトレックのバーブは20kg。
BESV JF1
besv(ベスビー)は折り畳みの電動アシストメーカーでしたが、クロスバイクタイプも発売しました。
特徴はリアモーターであることと、バッテリーが内蔵式なこと。
リアモーターは時代遅れと言われますが、MTBのようにハードに乗る時以外は特にデメリットはありません。
バッテリー内蔵なので、見た目もスッキリです。
メーカー希望小売価格:248,400円(税込)
サイズバリエーション:XS410 / M455
フレーム:アルミニウム
重量:16.1kg (XS) / 16.2kg (M)
ギア:Shimano Deore 10s
ブレーキ:PROMAX mechanical disc brake
タイヤ:700x35C(仏式)
全長:1745mm (XS) / 1755mm (M)
バッテリー:36V/7.0Ah リチウムイオンバッテリー
充電時間:約3.5時間
最大走行可能距離:115km / 58km
カラー:Gross White / Matte Black