クロスバイクをディスクブレーキ化するカスタムのコストとメリット、作業手順、おすすめパーツ

2018-11-06



スポンサードリンク


まだまだクロスバイクはVブレーキが優勢ですが、中級以上はディスクブレーキ装着モデルが増えて来ました。

このページではVブレーキのクロスバイクをメカニカル/油圧ディスクブレーキ化するために必要な手順とパーツ、効果をまとめています。

スポンサーリンク

クロスバイクをディスクブレーキ化するためのポイント

クロスバイク ディスクブレーキ化

クロスバイクディスクブレーキ カスタム例

ディスクブレーキのメリットは?

クロスバイクをディスクブレーキカスタムする最大のメリットは
・水や汚れの影響を受けにくい点
・絶対的な制動力アップ
例えばVブレーキやキャリパーブレーキを装備したクロスバイクの自転車通勤では雨が降ってブレーキパッドやホイールが濡れると制動力が急低下します。
特にブレーキが挟み込む砂や泥が影響を与えます。
ディスクブレーキはブレーキパッド、ブレーキローターが地面から遠いので、影響を受けにくくなっています。

ハイドロリックディスクは晴天時の制動力でもVブレーキよりも優れた性能です。

クロスバイクにディスクブレーキが必要かはこちらで詳しく紹介しています。

ディスクブレーキカスタムに必要な予算

クロスバイクをディスクブレーキにするためにパーツと工賃の目安。

メカニカルディスク

パーツコスト 20000円
ホイールやキャリパーなどVブレーキのクロスバイクから全部交換した費用です。

工賃 0円~5000円
パーツを全て店で買えば工賃無料でやってくれる店も多いです。
自分でやれば0円。メカニカルなら特殊工具も不要なのでDIYも可能です。

油圧ディスク

パーツコスト 30000円
油圧ディスクブレーキ化はレバーの交換も必要になり、レバーとシフターがセットになっているクロスバイクだとシフターも交換が必要になります。

工賃 0円~10000円
機械式に比べて作業ハードルが高いので、工賃も高めです。
自転車店によっては油圧ディスクができないショップもあります。

ディスクブレーキ化に必要なパーツ

ディスクブレーキはレバー、ケーブル(ホース)、キャリパー、ローター、ハブ、フルードの4つのメインパーツで構成されています。

ディスクブレーキキャリパー

ディスクブレーキキャリパー シマノディスクブレーキパッド

ブレーキパッドを作動させるためのパーツです。
油圧式とメカニカル式で大きく2つに分かれます。
カスタムとして手軽なのはメカニカル式です。

ディスクブレーキローター

ディスクブレーキローター_

ホイール側に取り付けるブレーキパッドと摩擦させて制動力を生み出すパーツ。
シマノが主導するセンターロックタイプとテクトロやSRAMが採用する6穴式があります。
専用工具が必要になりますが、センターロックの方がゆがみが少なくお勧めです。

ディスクブレーキレバー

油圧式ディスクブレーキ

油圧式と機械式の2種類があります。
機械式のキャリパーなら手持ちのレバーをそのまま使用できます。
フルードを使用したハイドロリック油圧ブレーキに変えるなら、レバーも交換する必要があります。

ブレーキホース

ディスクブレーキホース

レバーと同じく油圧式にカスタムする場合にだけ必要なパーツ。
内部をフルードと呼ばれるオイルやアルコールが通ります。

フルード

ディスクブレーキフルード ミネラルオイル DOT4

レバーを握った力をブレーキに伝えるための液体です。
油圧式ブレーキにだけ使用します。
シマノはミネラルオイル、AVIDやHAYS、SRAM、カンパなどはDOT4などのアルコール系を使用します。
1年に1回程度の定期交換が必要な部分。

 

ディスクブレーキホイール

ディスクブレーキ用ホイール_

Vブレーキ用クロスバイクはディスクローターの取り付けができません。
ハブにねじが切ってある必要があるので、ハブもしくはホイールの交換が必要になります。

センターロックもしくは6穴の2種類があるので、ローターと規格を合わせて買います。
リアハブの幅も130mmと135mmの2種類があります。
大部分のクロスバイクは135mmですが、念のためOLD=オーバーロックナット寸法をチェックしましょう。



スポンサードリンク


アダプター

ディスクブレーキアダプター

ローターのサイズは基本160mmですが、140mmや200mmなど大きなものを使いたいときに使用します。

これらのパーツが全部組み付けられれば無事クロスバイクをディスクブレーキ化することができます。

 

フレームの互換性を調べる

まずはキャリパーをとりつける台座があるかをチェックします。
フレームが対応していなければ、どうしようもありません。

自転車にまたがって、左手側の車輪の取り付け部分近辺に2つの穴が開いていればOKです。
穴の径は6mmの物が2つ、5cm間隔で空いています。たまにキックスタンド取り付け用の穴と間違えてしまいますが、こちらは8mmほどの大きな穴です。位置もフレームの一番地面に近い所にあるのがスタンド用です。
キャリパー用の穴はフレームの上側に溶接されています。
フレームに穴が無い場合は、残念ながら取り付けすることができません。

スルーアクスルとディスクブレーキ

ロードバイクやMTBでメジャーになりつつあるスルーアクスルという規格は、99%のクロスバイクは従来どうりのクイックリリースタイプです。

元々ディスクブレーキがスペックされているクロスバイクだけスルーアクスル規格になっています。

スルーアクスルはフレームとハブの規格のことで、ホイールとフレームをクイックリリースよりも太い12~15mmのシャフト(スルーアクスル)で固定する仕組み。

ディスクブレーキは特にブレーキング時にフロント側のホイールが外れる方向に力がかかりやすいので、スルーアクスルが開発されました。

油圧ディスクにカスタムするなら、フロントフォークはスルーアクスル対応の方が安心です。

メカニカルディスクの場合はクイックリリース式でも特に問題ありません。

 

フォークの取り付け穴を調べる

フロント側の取り付けはフォークに対して行います。
リアと同じく左手側のホイールを固定する付近にねじ穴が5cm間隔で2つあればOKです。

フロントフォークのディスクキャリパー固定位置
リアは無くてもフロントだけ穴があるバイクも結構あります。
安定したブレーキ力を求められるのはリアよりもフロント側なので、前ブレーキだけディスクブレーキ化してしまうというのもありです。

ホイールの取り付けをチェック

次はローターと呼ばれる金属のディスクを取り付ける穴があるかチェックします。

ホイールの回転部分に6つの穴が開いていればOKですが、Vブレーキのクロスバイクにはまずありません。

こちらがシマノ規格のセンターロックタイプのハブ。
左側にあるシルバーのギザギザ部分です。

センターロック用ディスクブレーキハブ

こちらは6穴タイプのディスクローター台座。
昔からある汎用タイプです。

6穴ディスクローター用ハブ クロスバイク

ハブを組み替えるのが材料費的には安いのですが、作業工賃を考えると、ディスクブレーキ対応のホイールを買う方が安上がりです。

実際はクロスバイク用のディスクブレーキホイールというのはあまり売られておらず、リアハブの幅(OLD)が135mmであれば、29er用のMTB用ホイールを買うのが一番低コストで調達できます。
軽量なモデルを求めるならシクロクロス用のホイールを買うのがおすすめです。

おすすめのディスク対応ホイール

4万円台で軽さを狙うならALEXのRXD3

ALEXのRXD3ホイール

クロスバイク用軽量ディスクブレーキホイールRXD3

https://www.riteway-jp.com/pa/alexrims/820505.html

重量 1550gで後のマルイの物より700g以上軽量。

価格の安さならマルイオリジナル

マルイ HB-RM35/AR-713

マルイオリジナルディスクホイール

マルイ シマノディスクブレーキホイールマルイ シマノディスクブレーキホイール

重量 2310g  フロント 1050g+リア  1260g

 

ブレーキレバーをどうするか

キャリパーとローターが取り付けられれば、ディスクブレーキ化は成功です。
後はブレーキの種類をメカニカル式にするか、ハイドロリック式にするかを考えます。
メカニカル式はVブレーキと同じく、ケーブルの力でパッドを動かして制動力を得ます。軽くて低コストですが、制動力は弱めです。
ハイドロリック式は液体の力でピストンを動かすオートバイ等と同じ方式で値段は高いですが、かなり強い制動力が期待できます。

私は高性能なメカニカル式か、安い油圧式のどちらかをおすすめします。
くれぐれもメカニカル式の安いモデルを買うのはやめましょう。Vブレーキよりも4割効きが落ちます。
メカニカルディスクブレーキならレバーを買う必要が無いので、片側1万円程度でいけます。
最近の油圧式も価格が下がって来たので片側1万円あれば準備できます。
メカニカルディスクの場合はAVIDのBB7というモデルが圧倒的に高性能です。
今の所、これ以外に選択肢はありません。雨の日もクロスバイクに乗ることが多い人は是非ディスクブレーキ化カスタムに挑戦してみてください。

ディスクブレーキカスタムの具体例

シマノ

コストパフォーマンスと安定した性能で選ぶならシマノが一番おすすめ。
特に油圧式ブレーキの場合はコスパが一番良い。

メカニカルディスクで組む場合

ターニーキャリパー片側2500円×2=5000円

ディスクローター片側 1500円×2=3000円

クロスバイク用ディスクホイール 8000円×2=16000円

シマノアラヤクロスバイク用ディスクブレーキホイール

5000円+3000円+16000円=24000円

トータル24000円でメカニカルディスクブレーキ化可能です。

ハイドロリックディスクブレーキで組んだ場合

レバーも併せて組み換えが必要になります。
シフター一体型を想定して、シフターも交換するパターンで組んでみました。

ブレーキレバー

シマノ ST-EF505 レバー 2000円×2=4000円

シマノ ディスクブレーキレバー ST-EF505

ブレーキキャリパー

BR-M365 2000円×2=4000円

 

ディスクローター

ディスクローター片側 1500円×2=3000円

クロスバイク用ディスクホイール 8000円×2=16000円

シマノアラヤクロスバイク用ディスクブレーキホイール

トータル27000円でハイドロリックディスクブレーキ化できます。

ハイドロリックディスクも価格がかなり下がってきたので、メカニカルと3000円しか変わりません。

この差なら100%ハイドロリックにした方が満足できますね。

 

その他ディスクブレーキブランド

テクトロ TEKTRO

台湾の総合ブレーキブランド。

スラム SRAM

エイビッド AIVID

スラムとエイビッドは同じグループのMTBパーツに強いアメリカメーカー。

ホープ HOPE

マグラ MAGURA

ホープやマグラはかなりマニアックですが、高級なディスクブレーキを作っています。

スポンサーリンク