クロスバイクのブレーキメンテンナンスDIYと工賃比較 V/キャリパー/ディスク対応
スポンサードリンク
クロスバイクのブレーキの日常点検からブレーキシューの交換方法まで全部紹介
クロスバイクを安全に乗るためにはブレーキの点検と性能維持は欠かせません。
車やオートバイに比べて周囲の影響を受けやすいリムブレーキタイプであるVブレーキ、キャリパーブレーキ、カンチブレーキは特に日常のメンテンナンスが重要です。
クロスバイクのブレーキの種類
クロスバイクに使われるブレーキはVブレーキ、キャリパーブレーキ、ディスクブレーキ、カンチブレーキ、ローラーブレーキ、コースターブレーキの5種類。
Vブレーキが一番多いですが、タイヤの細いモデルだとキャリパーブレーキ、上位機種だとディスクブレーキが使われます。
ママチャリベースのクロスバイクの場合はローラーブレーキもあります。
クロスバイクではカンチブレーキ、コースターブレーキはほとんど使われません。
キャリパーブレーキ
主にタイヤが23C~28Cまでのフラットバーロードに使用されます。
絶対的な制動力はVブレーキよりは下がりますが、微妙なコントロールがしやすくフレーム側も軽量にできます。
制動力はVブレーキの半分程度なので、日ごろのメンテナンスがより重要になります。
Vブレーキ
クロスバイクでは最もポピュラーなブレーキ。ライナープルブレーキとも呼ばれます。
安価なブレーキでも十分な制動力を発揮してくれます。
シマノの他にテクトロやマイクロシフト、AVID、TRP、プロマックス、スラムなどが製造しています。
Vブレーキはタイヤ周辺のクリアランスが広く、悪路を走っても泥詰まりしないので下で紹介するキャリパーブレーキから置き換えられてきた歴史があります。
タイヤが太いクロスバイクでもホイールの脱着が簡単で輪行もスムーズにできます。
制動力が強い分、ブレーキシューに異物があるとリムを攻撃して車輪を摩耗してしまう力が強いので注意が必要です。
ディスクブレーキ
最近クロスバイクでも普及してきたブレーキタイプ。
自動車やオートバイでメジャーだった物がMTBで普及し、今はロードバイクもディスブクレーキ化が急速に進んでいます。
ディスクブレーキのメリット
普及価格のメカニカルディスクブレーキはリムを挟む構造でないため、異物が挟まって異音やリムへのダメージを心配する必要がありません。
雨天時もリムブレーキよりも安定して制動力を発揮してくれます。
ローターが高い位置にあり、汚れが付着しにくいので、制動力の経年劣化が少ない。
長い下りで使用しても放熱性が良いので、リムブレーキよりも耐フェード性も高い。
さらに高級モデルの油圧式の場合はVブレーキを超える制動力があります。
デメリットは値段が高いことと、輪行する時にローター曲がりと、キャリパーピストン保護のために注意が必要な点です。
ローラーブレーキ
主にママチャリに使われるブレーキですが、まれにブリヂストンのTB1など、通学を意識したクロスバイクに採用されます。
制動力はそれほど高くなく、効きムラもありますが、ディスクブレーキよりも雨の日の安定性は抜群です。
メリットはあるのですが、効きが弱く、重いのでクロスバイク用としてはメジャーではありません。
サーボブレーキ、バンドブレーキ
これらはママチャリ専用でクロスバイクでは使用されません。
販売店に頼んだ場合
DIYで修理するのが不安という人は専門店に頼むのがおすすめです。
自転車販売店に修理を頼んだ場合の工賃相場
Vブレーキ、キャリパーブレーキの工賃相場
基本的な点検は片側500円
インナーケーブルを交換すると500円+部品代800円
アウターケーブルを交換すると500円+部品代1000円
ブレーキシューを交換すると1000円+部品代800円
機械式ディスブレーキの工賃相場
基本的な点検は片側500円
インナーケーブルを交換すると500円+部品代800円
アウターケーブルを交換すると500円+部品代1000円
ディスクブレーキパッドを交換すると2000円+部品代2000円
油圧式ディスクブレーキの工賃相場
基本的な点検は片側500円
フルードを交換すると4000円+部品代2000円
油圧ホース交換すると5000円+部品代3000円
ディスクブレーキパッドを交換すると2000円+部品代2000円
Vブレーキ
ワイズロードのブレーキ調整メンテナンス工賃
ブレーキ本体
|
交換前後
|
¥3,200
|
|
---|---|---|---|
ブレーキシュー
|
交換前後
|
¥2,400
|
|
ブレーキワイヤー
|
交換前後
|
¥3,200
|
アウター・インナーとも
|
ディスクブレーキ(機械式)
|
Vブレーキからの交換前後
|
¥11,200
|
ブレーキ類一式交換
¥6,200 (¥9,000) |
|
ケーブル点検調整一式セット
¥2,100 (¥-) |
|
自転車専門店サイクルキューブのブレーキ調整メンテナンス工賃
ブレーキ関係 | ワイヤー交換(1本) | 調整含む、インナーのみ | ¥1,000 |
調整含む、アウター+インナー バーテープ交換は別途工賃 |
¥2,000 | ||
ブレーキ交換(前後) | ワイヤー交換別 | ¥3,000 | |
シュー交換(前後) | 片方だけの場合は半額 | ¥2,000 |
アルペン自転車館のブレーキ調整メンテナンス工賃
ブレーキ調整のみ500円
インナーワイヤー交換500円
アウターケーブル交換500円
ブレーキパッド交換500円
サイクルベースあさひのブレーキ調整メンテナンス工賃
ブレーキ調整(前後) | ブレーキ調整(前後) | 1,000円 | カンチ、U、ディスクブレーキが付いている場合は、基本工賃からプラス800円となります。 |
---|---|---|---|
ケーブル交換 | インナーワイヤーのみ1本 | 1,200円~ | |
インナー、アウターワイヤー1本 | 2,200円~ | ||
油圧ディスクケーブル1本 | 5,800円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 フレーム内蔵型は、基本工賃からプラス500円となります。 |
|
ブレーキフルード、調整1本 | 4,000円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 | |
ブレーキシュー、パッド交換 片側 | カンチ、Uブレーキシュー | 1,400円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 |
Vブレーキシュー | 1,000円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 | |
ディスクブレーキパッド | 1,800円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 機械式、油圧式は問いません。 |
|
キャリパーブレーキシュー | 1,000円 | カートリッジタイプも同額です。 | |
ブレーキ本体交換 片側 | カンチ、Uブレーキ本体 | 2,200円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 |
Vブレーキ本体 | 1,800円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 | |
機械式ディスクブレーキ本体 | 3,000円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 | |
油圧ディスクブレーキ本体 | 7,900円 | フルード作業、ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 | |
ディスクローター交換 | 2,400円 | 6穴タイプ、センターロックタイプは問いません。 | |
キャリパーブレーキ本体 | 1,700円 | ブレーキ調整は片側のみ基本工賃に含まれます。 |
ブレーキの日常点検方法
まずは乗車前に行いたいシンプルな安全点検です。
ブレーキのバランスをチェック
ブレーキシューが左右均等に当たっていないと、ブレーキシューは片側だけ減ります。
場合によっては軽くブレーキを引きずった状態になって、スピードも出なくなります。
走っている時にシューっと音がする場合はブレーキシューとリムが接触している場合があります。
まず走行していてペダルを回していない時に異音がする場合はブレーキ周りが一番怪しいです。
一度クロスバイクから降りて、タイヤだけを空転させて音がするかチェックしましょう。
Vブレーキとキャリパーブレーキ、ディスクブレーキでは調整方法が異なりますので、自分のクロスバイクに合った調整方法を身につけましょう。
スポンサードリンク
Vブレーキの調整方法
Vブレーキの構造は以下のようになっています。
ここのピボットが壊れることはまずありませんが、緩んでいた場合はVブレーキ本体を取り外した後でモンキーレンチで増し締めします。
この部分は逆ねじ(緩める方向に回すと締まっていく)ので注意が必要です。
Vブレーキの音が鳴る場合の片効き調整
一番多いメンテナンストラブルはブレーキシューの片側だけリムに擦ってしまう片効きです。
このようにブレーキが当たるリムサイドとブレーキが正しい位置にあるか確認します。
どちらかのリムに当たっている場合はアジャスターで調整します。
ブレーキの片効きはブレーキを正面から見てホイールの側面とブレーキシューの隙間が均等か目視します。
ブレーキシューバランスのメンテナンスはブレーキ本体の固定部分にあるボルトを回せば調整できます。
シューの下にある小さなねじが調整箇所です。
写真はプラスドライバーになっていますが、Avidブランドの場合は2mmのヘキサレンチねじになっています。
2万円クラスのクロスバイクの場合、このネジがまわりにくくて、結構つぶれやすいので注意。
ねじを締めこんだら締めた側のアームのブレーキシューがリムから離れていきます。
ブレーキシューがリムに接触している方を締めます。
同時に反対側も少しだけ緩めてあげると丁度よい位置に来ます。
キャリパーブレーキの調整メンテナンス
細身のタイヤを装備したフラットバーロードにはキャリパーブレーキがスペックされていることが多いです。
まずは本体がフレームにしっかり固定されているか確認します。
Vブレーキと異なり、キャリパーブレーキはブレーキの裏側に1本の5mmヘキサレンチがありますので、締まっているかチェックします。
ブレーキシューの位置を確認します。
タイヤの内側にあるリム側面とブレーキシューが平行に取り付けられているかを確認。
さらにブレーキを上から見て、トーイン(進行方向のブレーキの先端が先にリムに接触する)になっているかもチェックします。
ブレーキのトラブルでキーキー音がする場合はこのトーインをつけると解消できる場合が多いです。
ブレーキシューの調整メンテナンスはヘキサレンチで行います。
ブレーキシューを持ちながらボルトを緩めてください。
180度程度緩めると、ブレーキシューが自由に動くようになり角度や向きを動かせます。
シマノやテクトロで無い安いブレーキシューの場合は角度調整ができないキャリパーブレーキもあります。
その場合は工具でアームをつかんで、アームそのものの角度を調整します。
ブレーキシューを外せばモンキーレンチでも可能ですが、微調整が難しいので専門店でやってもらった方が無難です。
キャリパーブレーキの左右どちらかが当たっているときは片効き調整を行います。
おおまかにはキャリパーを取り付けるときに、左右のシューがバランスよい位置に来るように固定します。
その後ブレーキ上面にあるアジャスターボルトで微調整を行います。
写真左のようなシングルピボットブレーキの場合は微調整ボルトがないので、13mmのハブコーンレンチを使ってグイっと位置を調整します。
スポンサードリンク
カンチブレーキのメンテナンス方法
クロスバイクではかなりレアで、一部のツーリングバイクにしか使われなくなったカンチブレーキも紹介しておきます。
カンチブレーキもVブレーキと同じピボットボルトに固定します。
カンチブレーキの位置をそのまま使えるようにVブレーキが開発されたので、V⇔カンチのカスタムも可能です。
基本のワイヤー調整はカンチブレーキアームの右側にあるボルトを緩めて、ケーブルを引っ張ります。
左右のあたり調整はVブレーキと同じようにピボットボルト下にある2mmのヘキサレンチのアジャスターボルトを使用。
ボルトを締めると、締めた側のブレーキシューが離れていきます。
ディスクブレーキメンテナンス
クロスバイクのディスクブレーキの中でメカニカルディスクブレーキを紹介。
Vブレーキと同じくワイヤーを引っ張って制動力を発生させるタイプのブレーキです。
メカニカル式とは別にハイドロリックディスクブレーキという油圧で制動力を伝えるブレーキもあります。
ブレーキのケーブルメンテナンスはワイヤーの引っ張り具合を調整するだけのシンプルなものです。
ブレーキパッドは残り0.5mmになったら交換です。
ディスクブレーキ場合、パッドの残り量確認は一度パッドを外さないと正確な確認が難しいです。
ブレーキパッドの外し方(シマノメカニカルディスクブレーキ)
シマノのメカニカルディスクブレーキは割ピンになっているので、ペンチで引っ張ってピンを抜きます。
ピンを抜いたらパッドをペンチで挟んで引き抜きます。
ブレーキパッドの外し方(テクトロメカニカルディスクブレーキ)
テクトロはヘキサレンチでピンが固定されているので、反対側にあるCリングをペンチで引き抜いてからヘキサレンチで回します。
回したらシマノ同様パッドをペンチで引き抜きます。
引き抜くときに板スプリングが入っているので、無くさないように注意しましょう。
パッドを引き抜いたら残量をチェックします。
0.5mmを確認するのは目視だと難しいのですが、爪で軽くひっかけてしっかりと段差があればOKです。
ノギスを持っている人はそちらで計測しましょう。
インナーケーブルのメンテンナンス
クロスバイクで使われるケーブルはブレーキケーブルとシフトケーブルの2種類です。
2つは一見同じに見えますが、太さが異なります。
メンテンナンス方法はどちらも同じで、アウターケーブルとインナーケーブルの間に注油すればOKです。