クロスバイクの正しい変速操作
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前後合わせて7~24個も組み合わせがあるクロスバイクの変速機
クロスバイクを変速するメリット
人間の筋肉には一番力がかけやすくて、疲労が溜まりにくい運動スピードがあります。
基本的には足を速く回すほど筋肉内の血流が速くなり、速く、楽に走ることができます。
ロードバイクのレースをやる人だと1分間に90回転(ケイデンス90)を目指します。これはママチャリしか経験のない人にとっては驚くほど速い回転速度です。
クロスバイクでは、1分間にペダルが50~80回転程度を目指して変速ギアを調整します。
スタートの時速0km、上り坂の時速10km、平地の時速25km、下り坂の時速40kmなど、走行環境によって、スピードが大きく変動します。
各状況で丁度よいペダルの回転スピードを維持するために必要なパーツが変速機=ディレーラーです。
変速の仕組み
手元で操作する物がシフトレバー。
実際にギアを変えるのがディレーラーです。
この2つは金属製のシフトケーブルでつながっていて、連動します。
ワイヤーで引っ張られてディレーラーが左右に動き、チェーンが引っかかるギアの位置を変えていきます。
外装式と内装式変速
クロスバイクの変速システムには大きく分けて、ギヤが外に出ている外装式とギアがハブの中に収納されている内装式があります。
写真上が内装式変速、下が外装式変速。
クロスバイクでは99%が外装式変速で、ごくわずかなモデルで内装式変速が採用されます。
内装式も外装式もギア比を変えるという性能は同じですが、外装式の方が安く、軽くできるのでスポーツ用途のクロスバイクだと好まれます。
内装式変速のメリットは、ギアが露出していないので汚れにくく、チェーン落ちも発生しないメンテナンスフリーであることです。
そのため内装変速はママチャリに良く使われます。
変速レバーのタイプは実はたくさん
クロスバイクの変速を操作するレバーには多くの種類があり、さらに各種類の中でグレードがあります。
変速レバーの種類一覧
ハンドル固定
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ラピッド式
|
別体式 | 1番おすすめ |
一体式 | 2番目 | ||
グリップ式 | |||
フリクション式
|
一体式 | ||
別体式 | |||
フレーム固定 | フリクション式 | 別体式 |
まず価格帯によって採用されているシフターのタイプが違います。
2万~3万クラスのクロスバイにはフリクション式が多く使用されます。
フリクション式変速レバーは価格が安く、変速精度、スピードも良くありませんが、6段、7段変速だとディレーラーの位置がある程度いいかげんでも走ってくれるので何とかなります。
4万円クラスや子供用のクロスバイクなどは手で回すタイプのグリップシフターが使われます。
フリクション式よりも精度は高いですが、壊れやすいのと、変速時に手首全体をひねらないといけないので、ハンドル操作がややしづらいです。
5万円以上のクロスバイクは指で操作するラピッドシフター(トリガーシフター)が採用されます。
耐久性や操作性はトリガーシフターが良いので、5万円以上のクロスバイクにはほぼトリガーシフターが採用されます。
実は同じトリガーシフターの変速機の中でも一体式と別体式の2種類が存在します。
この違いが結構大事で、下の一体式のシフターはブレーキレバーの位置と変速レバーの位置が固定されているので、別々の位置にすることができません。
少しブレーキレーバーを下げたいなと思っても、一緒に変速レバーが動いてしますので好みに位置に微調整できないというデメリットがあります。
スペックでSL-*** という型式だと別体式、ST***という型式だと一体式になります。
ジャイアントのエスケープ、ジオスのミストラルなど、メジャーなクロスバイクはほぼコスト重視の一体式ですが、コーダブルームのレイル700やライトウェイのシェファードなどは別体式です。
ラピッドシフターだけはMTBでも採用されるので、シマノの中でもかなり細かくグレードわけがされています。
最上位の変速システムがXTR
その後XT、SLX、DEOREと続きます。このあたりは本格レース用MTB用。
SAINT、ZEEはダウンヒル用なのでクロスバイクとは関係ありません。
7~10万円のクロスバイクにはALIVIO、ACERAシリーズが使われます。
5~6万円はALTUSシリーズ。
2~4万円のクロスバイクはTURNEYTX、TZシリーズです。
同じシマノ搭載と書かれていても、全く変速性能は違います。
フロント変速は必要?
街乗りだけであれば、フロント変速無しでリア8段あれば十分です。
歩くのも辛い峠を登るような場合はフロント変速が無いとギアが足りなくなりますが、よほどの山の上に住んでいるか、ツーリングをするという人以外はフロントシングルで十分でしょう。
フロント変速のデメリット
重量が増える:ギアの数が増えて変速機、変速レバーも必要になるので、トータル300g程度増加します。
チェーンが落ちる:フロントギアはちゃんと調整していても、何かのショックでチェーンが内側に落ちてしまいます。通勤途中でチェーンが落ちると戻すのに手が汚れたり、フレームが傷ついたりして結構大変です。
上手な変速方法
停止中は変速しません
クロスバイクの外装変速はチェーンの位置をグイッとディレーラーで引っ張って移動させています。
チェーンが止まっている状態だとギアからチェーンが外れない構造になっています。
そのため、チェーンが動いていないと、どれだけレバーを操作しても変速は動きません。
ペダルを回しながら、レバーを操作して変速を変えていきます。
強く踏みすぎても変速しません
上記で停止中はダメと言っときながら、強く踏み込んでいる時も変速しません。
正確には変速しづらくなります。
チェーンが足の力でピーンと張っていると、ディレーラーがギア間を動かしづらくなります。
変速するときはペダルを回しつつ、軽く力を抜いてスパっと変えます。
特にフロントの変速を重くする時はギアの差が大きいので力を入れた状態だと変速してくれません。
難しいように聞こえますが、慣れれば簡単です。
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前後変速を使い分ける
クロスバイクのギアは前と後ろの両方についています。
右手側がフロント変速、左手がリア変速になります。
リアしか変速が無いモデルは左側だけ変速レバー=シフターがあります。
ペダルを1回転した時にタイヤが転がる距離を変えるのが変速機=ディレーラーの役割です。
前ギアのセンターギアが38Tでリアが11Tの場合はギア比3.4、リアを34Tに変えると、ギア比が1.1で、約3倍軽く漕ぐことができます。
どちらのギアを操作しても軽くしたり、重くしたりできますが、慣れた人は意識してスムーズに変速できる前後=左右を使い分けています。
メインは後ろ変速を使用
クロスバイクの後輪は7~9枚のギアがあるので、細かくギア比を選べます。
大きな歯にチェーンがかかっていると、軽い踏み心地になり、小さな歯は重い踏み心地です。
大部分のクロスバイクは最小ギアが11T=ギアの山が11個、最大ギアは34Tです。
起伏の少ない市街地を走る時はほぼリアの変速しか使う必要はありません。
イメージとしては、スピードが五キロ上がるごとに一つづつ重いギアへシフトしていきます。
前ギアは大きく変わる
ギアの数が3枚で一枚づつの差が大きい前ギアは一段変えると大きくギア比率がかわります。
後ろのギアだけでは対応しきれないときに前ギアを使います。
たとえば前側は48/38/28Tを3段階で割って10歯刻みですが、後輪側は11-34Tまでを1~2刻みでレバーが動きます。
この数からも、フロントギアの1段の差が分かります。前変速は6倍ほど効果が高い計算です。
最近はリアのギアが36Tとワイドなモデルが出てきたので、フロント変速を装備しないクロスバイクも増えてきました。
実際山岳コースに行かない限りはフロントの変速は無しで問題ありません。
フロントの変速があるとチェーン落ちのトラブルがどうしても発生して面倒なことになります。
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スタート時はいつも軽めで
スピードがゼロからのスタートになるスタート時はできるだけ軽いギア比率にします。
目安は前がセンターギア、後ろが一番軽いギア近辺です。
停止中は変速できないので、自転車が止まる直前に軽いギアに変速します。
急な坂は前ギアを活用
下り坂で軽すぎて踏み込めなくなってきたら、前のギアを重くしてクロスバイクのギア比率を変えます。
登り坂の途中で重くて踏めなくなってきたときも同様です。
基本はリア変速で対応して、後ろのギアだけでは対応できないときに前ギアをチェンジします。
前ギアの基本はセンター
前ギアを変えて、平坦な道に戻ったらポジションをセンターに戻します。
前が重いギアや軽いギアのままクロスバイクを走らせると、チェーンがねじれた状態になります。
ギアの対角線上にチェーンがある状態だと、チェーンの磨耗が進みます。
それを避けるためにチェーンの基本位置はいつもセンターにしておきましょう。
ギアのカスタマイズ
購入後におすすめのギアのカスタマイズ方法を紹介。
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基本のプーリー
リアディレーラーのチェーンガイドの働きをしているのがディレーラープーリーです。
上下に2つついています。
これにも歯数があり、10T~15Tと様々です。
でもこの歯数はギアの軽さには影響しません。リアギアであるカセットスプロケットとディレーラーの組み合わせで決まります。
クロスバイクは11Tがほとんどです。わからない場合はディレーラーを見て1個づつ数えましょう。
5万円のクロスバイクに付属するプーリーは樹脂製で内部にベアリングが無いので意外と抵抗があります。
以下のようなベアリング入りのプーリーに変えると抵抗軽減のカスタマイズができます。
KCNCアルミプーリー
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プーリーと一緒に変えたいのがプーリーボルトです。
ここは性能アップよりもカラーコーディネートと軽量化がメインです。↓
シフトケーブル
変速性能を上げるにはケーブルのグレードアップが一番コスパが良いです。
ディレーラーやギアをグレードアップすれば性能がアップしますが、リア8段変速からリア9段変速に変えようとすると、全部で1万円以上のコストがかかります。
その代わりに変速ケーブルのグレードアップをすることで効果的な変速レスポンスのアップを手に入れることができます。
標準のケーブルはステンレスですが、アウターケーブルとインナーケーブルの摩擦が大きく、変速がスパッと決まらない原因になっています。
フライパンと同じテフロンコーディングされたインナーケーブルに変えることで摩擦を少なくしてスムーズな操作ができるようになります。
価格も1000円程度なので、とても満足度が高いカスタムです。
シマノ製のテフロンケーブル↓
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正しい操作とカスタマイズで快適なクロスバイクライドを楽しんでください。